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6.父親と長男との関係が不和であったが大吉方を活用して親子の関係が非常に親和となった実例 -「方鑒家相要義」より

 

今回も飯田天涯著「方鑒家相要義」より取り上げる。

 

父親と長男との間柄の不和なりしを大吉方を用ひて其親子間が非常に親和となりし實例

 

荒井未達鑑定

 

父 慶應二丙寅年二月十二日生 八白命
長男 明治二十二己丑年三月十九日生 三碧命

 

右の親子如何なる因縁なるか非常に不和にして實に犬猿も啻ならず、恰も仇讐の如き有様にて年中意見合はず、父が白と云へば長男は黒と云ひ、父が是と云へば長男は非と稱し、一舉手一投足に至る迄意見の衝突を生じ、其不和なること世間に稀なる程でありたるのである。

 

或時予は其父親なる主人の需めに應じ出張鑑定の上、此兩人をして各々吉方を用へしめた。
即ち父は大正六丁巳二黑年(1917年)清明の節、新暦四月廿六日辰九紫月に東へ移轉し、長男は同年小暑の節新曆七月十五日未六白月に父移轉先きなる東へ移轉同棲せり。

 

然るに其長男の移轉せる四箇月目より其親子は恰も掌を返すが如く心機一轉し其間柄非常に和親となり、其主人は勿論其主人の妻たる即ち長男の母たるものは父子の和親となりたるを見て、一家の幸福であると方徳の効を歡喜し居れり。

 

註に曰く、大正六年は二黑中宮にして、同年新曆七月は六白中宮である。
年に於て東方に九紫廻座し、新曆四月辰九紫月は東に七赤座するを以て、父なる八白命には吉方である。
長男の三碧には年にては東に九紫座し吉なるも、新曆四月は七赤座し剋罰であるから、同年新暦七月未六白月、東に四綠廻座せる月に、父の移轉先なる東に移轉せしめた。
是れ年月に於て吉方となるのである。

 

而して共和親となりたるは、同年は坤宮に八白廻泊し、同年七月は坤宮に三碧廻泊し、年に於て父の本命星の八白廻泊せし坤宮に、月に於て長男の本命星の三碧坤宮に廻泊し、年月に於て兩人(両人)の本命星同座せしを以て、不和の間柄が至て親和なりたるのである。

 

 

以下、現代語訳。

 

父親と長男との関係が不和であったが大吉方を活用して親子の関係が非常に親和となった実例

 

父 慶應二丙寅年(1866年)2月12日生 八白命
長男 明治二十二己丑年(1889年)3月19日生 三碧命

 

父親と長男との関係が不和で、言い争いが絶えず、まるで仇敵のような状態だった。
年中意見が一致せず、父が白と言えば長男は黒と言い、父がこれと言えば長男は非と否定し、あらゆる点で意見の対立が生じていた。
この不和な状態は非常にまれで、まさに世間一般ではめったに見られないほどのものだった。

 

ある時、私は父親である主人の要請に応じて出張鑑定を行い、両者にそれぞれ吉方を使うようにアドバイスした。
すなわち父親は大正6年(1917年)清明の節、新暦4月26日に辰九紫月に東へ移転し、長男は同年小暑の節、新暦7月15日に未六白月に父親の移転先である東に移転、同棲した。

 

それなのに、その長男の移転から4ヶ月目には親子関係が一変し、まるで手のひらを返したように心機一転し、親子は非常に和やかになった。
その主人ももちろん、主人の妻である長男の母も、父子の仲が良くなったのを見て、一家の幸福であると方位の効果を喜んだ。

 

補足として、大正6年(1917年)は二黒中宮で、新暦7月は六白中宮であり、年において東方に九紫が廻座し、新暦4月の辰九紫月は東に七赤が座することから、父である八白命にとっては吉方だった。
一方で、長男の三碧は年によっては東に九紫座し吉であるが、新暦4月には七赤座し克罰であるから、同年新暦7月の未六白月に東に四綠廻座したことで、父の移動先が吉方となるのである。

 

そして、彼らが親和になったのは、同年は坤宮に八白廻泊し、同年7月は坤宮に三碧廻泊したことから、年において父の本命星である八白が廻泊する坤宮に、月において長男の本命星である三碧が坤宮に廻泊したことで、両者の本命星が同座したことが影響して不和な関係が和やかなものに変わったのである。

 

 

・父の移転

まず最初に父の移転を見ていくと、
1917年4月の方位盤は以下のとおり。

1917年4月の方位盤

震宮(東)

年盤:甲子 九紫火星 陰貴
月盤:辛亥 七赤金星

 

父親は八白命なので、年盤九紫と月盤七赤はいずれも相生であるため吉方としている。

ただ飯田天涯の事例だと中宮支から十一目と十二目は凶方としていることが多いのに、この事例だと吉方と見ている。


・長男の移転

次に長男の移転を見てみると、

1917年7月の方位盤は以下のとおり。

1917年7月の方位盤

震宮(東)

年盤:甲子 九紫 命禄 駅馬
月盤:甲寅 四緑木星 天徳 月徳

 

長男は三碧命なので、年盤九紫と月盤四緑は、相生と比和であるため吉方としている。
一方で丑命であるため、十二支も子丑寅卯と四支並びとなって良い。

さらに還家の天徳月徳や、長男にとっての吉神も重なっているのもかなり良い方位と言える。

父親より長男の方がかなり吉方を取れているのでこのような改善に繋がったと思われる。