今回も飯田天涯著「方鑒家相要義」より取り上げる。
明治三年生、庚午四緑命男
明治三十九丙午四綠年新曆二月立春寅八白月辰巳の方(年家辰巳の方は三碧坐し年の暗剣殺) (月家辰巳に七赤の殺氣坐す)に新規に井戸を掘らんとし、其吉凶如何と予の許に來り判断を請ふ。
予鑑定して日く此れ辰巳は年の暗剣、月にても七赤の殺氣を犯すを以て此井を掘らんと欲せば、先づ棺を作り面して後に爲すべし、必ず命を失ふことになるから此れは中止するが宜しと説き示したるも、其人隣家に對する事情ありて止むを得ず終に右の井を掘りたり。
其後不幸にして十ヶ月目に至り方災免れ難く其人終に頓死せり。
以下、現代語訳。
明治三年生(1870年)、庚午 四緑命 男
明治39年(1906年)の丙午の四緑年、新暦の2月立春の節に、辰巳の方(南東)に新しく井戸を掘りたいと考え、その吉凶を知りたくて私の許に相談に来た。
私が鑑定したところ、この辰巳の方(南東)は年の暗剣であり、月においても七赤の殺気を犯すため、この井戸を掘ることは避けるべきであり、もし掘るのであれば、ますます命を失う可能性があるため、中止するべきだと説明した。
しかし、その人は隣家に対する特定の事情があり、やむを得ず最終的にその井戸を掘ることになった。
その後、不幸が続き、十ヶ月が経過してとうとう災難から逃れられず、その人は最終的に突然死を遂げた。
1906年2月の方位盤は、以下のとおり。
巽宮(南東)
年盤:甲寅 三碧木星 暗剣殺
月盤:戊戌 七赤金星 陰貴 干支定位対冲
この事例では、1906年丙午四緑年、二月寅八白に、巽宮(南東)で井戸を掘った後10ヶ月後に亡くなり、それを年盤の暗剣殺と月盤の七赤の殺気(本命が四緑であるため)が原因としている。
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