のつづき
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今年の歳徳神
ところで、今年2023年の歳徳神（恵方）は、定位では離宮（南）の丙ノ方とされているが、
ある風水系YouTuberが「今年の恵方はありません」と言い切っていた。
歳徳神というのはその年の干支の十干（天干）から出す。
つまり、その年の干支の十干が、
陽干ならば、その十干の方位が歳徳神となり、
陰干ならば、その十干と干合関係になる十干の方位が歳徳神となる。
その風水系YouTuberによると、今年の場合の干支は癸卯年で、十干は癸の陰干であるため、
癸と干合する戊の方位が恵方ということになるが、
戊は土気の定位である中央を指すため、方位がないから、丙で代用しようとしたのではないか？としていた。
今年2023年は癸卯年で、天干の癸と干合する戊が歳徳神の方位というのはその通りだが、確かに二十四方位で見ても戊の方位というものは無い（ただし巽乾を戊と見る説もある）。
実際のところは「月盤で」戊が巡る方位が歳徳神の方位となる。
基本的に風水などで方位が論じられる時は、方位盤の干支が動かない前提で（定位のものとして）方位神を考えるため、戊は土の定位である中央を指し、方位としては存在しないから「今年の恵方はない」ということになってしまう。
それでは暦などには何故今年の恵方は丙とされているかというと、これは火土同根という考え方から来ている。
四柱推命などでも、天干の根を考える際に、土は火の十二支を根とする考え方がある。
つまり戊土や己土は、火の十二支である午や巳を根とするということ。
（その一方で、方位の原書などを見ると、水と土を同根と見る考え方もある）
都天殺
ちなみに、その風水系YouTuberは、今年の都天殺は午丁未の方位だとしていて、数年前にこの凶殺の方位で道路工事が2日間あった際に、旅行へ行って逃げたと話していた。
確かに今年の定位の都天殺の方位は、午丁未の方位とされているが、この定位のもの以外にも、月盤の天干に戊と己が巡る方位も都天殺となる。
そのため、都天殺は戊己都天殺と言われる。
今年は、月盤で天干に戊己が巡るのは、６月の戊午月、７月の己未月になるが、それまではその６月と７月までは戊午と己未が方位に巡ることになる。
（上記の２月〜５月の方位盤参照）
戊と己が方位に巡る際に、十二支の方が午と未であるため、今年の戊己都天殺は午未とされている。
一般的な都天殺の表には、定位の都天殺として、午と未に加えて、その間にある丁と合わせて、今年の戊己都天殺は午丁未の方位とされている。
しかし月盤の方が直接戊己が巡るため、より凶意があるのではないかと思う。
戊己都天殺は土に関連する凶殺となるが、
戊己都天殺単独や吉方位で取る場合にはそこまで凶意はない。
凶意を発揮するには条件があると言われている。
戊己都天殺と、土殺と言われる大小月建（暗剣殺・小児殺のこと）や土性に属する五黄が、同じ宮にきた場合に、土を動かすのがいけない。
夏の土用に土を動かすのがいけないと言われているのと同じで、
土のエネルギーが活発化し過ぎることによるもの。
そのような形で五行の理に基づくが、由来を知らずに、また月盤の戊と己も見ずに、「一年間この方位での工事は全て凶」としてしまうのは疑問がある。
（それで鑑定料を何万とか何十万とか取っている）
（建築・動土の方位も見ずに、旅行だけで大開運するなどと謳っているものは論外）
夏の土用と土いじり
また、よく土用の期間は土を動かすのが良くないと言われるのは、これも夏は火が旺じる季節で、五行的に土のエネルギーが強まり過ぎることと関係している（火は土を生じるため）。
自宅の敷地（もしくは隣接する土地）の艮宮と中宮と坤宮の方位の土いじりが悪い（北東から西南のライン）。
土用は、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を指すが（これを四立十八天前土旺という）、
五行的に春は木剋土、秋は土生金、冬は土剋水なので土いじりの影響はないが、夏は火生土で土のエネルギーが活発化し過ぎるため、艮宮、中宮、坤宮のラインに限っては要注意。
七寸（深さ21cm）までは大丈夫。それ以上掘ると影響が出てくる。
自宅の敷地から離れた農地や、引っ越しなど移動の方位は土用の影響は関係ない。
（土用の期間に引っ越してはいけない、という占い師がいるが、間違い）
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